はじめに
本稿では、英語学習ポッドキャストを、目的の違いによって3つのグループに分けてみました。
中には、そのうち2つの目的にまたがる方もおられると思います。それぞれの目的別に、どのようなタイプのポッドキャストを選んだほうがよいかという点で説明していきたいと思います。
英語学習ポッドキャストを利用する「3つの目的」
目的1:英会話ができるようになりたい
この目的を持つ方には;
- ビジネスマンで国際電話や海外出張がある方とか、
- 自分で事業をされている方で外国人の客が多い方とか、
- 外国人の友達や、外国人の彼女・彼氏をつくりたい方とか、
- 海外を一人旅してみたい方とか、
いろいろなシチュエーションの方がおられると思います。共通していえることは、英会話、すなわち「スピーキング」と「リスニング」スキルを上げたい、という目的を持っているということですね。
実は、後で説明する目的2や目的3の方と比べると、目的が何となく「ぼんやり」しているので長続きしないことが一番多いのがこのグループの方だと思います。ポッドキャストの選び方としては、英会話スキルの向上を明確にターゲットにしていて、会話形式で、かつフレンドリーでとっつきやすいものが良いと思います。
目的2:TOEICのスコアを上げたい
ビジネスマンの方で、
- TOEICのスコアを上げたい、引いてはその結果、
- 昇進したい、
- 海外赴任したい、
- キャリアップにつなげたい、
などといった目的を持っている方は、目的が明確でモチベーションが高いので、英語学習ポッドキャストを継続的に長続きして利用できる可能性が高いと思います。つまらなくても辛くても一番頑張れるのがこのグループの方ですね(笑)。
このグループに該当する方は、すでに紙媒体の教材や、各種のマルチメディアでTOEICを学習中だと思います。TOEICはご存じのように、前半はリスニングで、後半はリーディングです。スピーキングやライティングはありません。
この状況で、英語学習ポッドキャストが最も有効な分野は、「リスニング対策」ですね。ポッドキャストの使い方としては、「多聴と精聴をきちんと区別して、両方を組みあわせる」ことが大切だと思います。これはポッドキャストに限らず、TOEICのリスニング対策の基本ですね。スクリプトがあるポッドキャストとないポッドキャストがありますので、多聴と精聴のどちらに使うかをはっきり決めて取り組むと良いと思います。
目的3:特定の情報やコンテンツを入手したい
英語を使うことは単なる手段にすぎず、その先の「情報」や「コンテンツ」を得たい、ただし英語力もさらに上昇すれば「一石二鳥」、という主に英語上級者の方の姿勢です。
これが最も理想的・最終的な英語学習ポッドキャストの利用法だと思います。
いいかえれば日本語のポッドキャストと同じように、英語のポッドキャストを楽しむ、という感じです。英語力が中級~上級になってくると、自在にポッドキャストを選んで、利用できるようになります。
とにかく英語学習を継続しなければというプレッシャーもなく、その先の情報やコンテンツを利用したい・楽しみたい、という姿勢なので、無理なく継続的にポッドキャストを利用することになり、ポッドキャストがライフスタイルの一部として自然に定着します。
裏を返せば、英語初学者~中級者の方でも、「好きなジャンルがあれば、無理しなくても英語学習ポッドキャストを継続できる可能性がある」といえます。たとえば、
- ヨガが好きな方ならヨガ関連の英語ポッドキャスト、
- ガーデニングが好きな方はガーデニング関連の英語ポッドキャスト、
- 旅行が好きな方は旅行関連の英語ポッドキャスト、
- フィットネスが好き中な方はフィットネス関連の英語ポッドキャスト
は、それぞれ本人に語彙力や聞き取り力が不足していても、自分の得意分野だけに、内容を推測して理解できる可能性が大きく、長続きできる可能性があります。
また、英語の情報がより直接的な情報ソースで、一方日本語の情報はそれを2次加工したものにすぎないようなジャンルの場合は、一石二鳥どころか一石三鳥になります。たとえば、米国の株式(米国株)に投資している方にすれば、米国から発信された英語の直接情報の方がより正確で偏りのない情報ですので、英語ポッドキャストはもう手放せなくなるほど利用できて楽しめると思います。FX(外国為替証拠金取引)などもこれに近いジャンルだと思います。